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『世界史を変えた新素材』

 

世界史を変えた新素材 (新潮選書)

世界史を変えた新素材 (新潮選書)

 

 本書は、12種類の素材に焦点を当て、それぞれが世界史の中でどのような役割を果たしたのかを描いている。金、陶磁器、コラーゲン、鉄、紙、炭酸カルシウム、絹、ゴム、磁石、アルミニウム、プラスチック、シリコンの12種類だ。

 

各素材ごとに読み切りの形になっているため、気になる素材だけチェックするのもアリだ。実際僕は、鉄、紙、絹、シリコンの4項目しか読んでいない。とはいえ、それ以外の素材についても、また折に触れて読む機会があると思う。

 

各項目では、それぞれの素材について歴史、特徴、人類にとって必要だった理由などの要点を漏らすことなくコンパクトにまとめてある。浅すぎず、深すぎず、それでいて読み応えがあり、素材の小史を掴むにはもってこいの一冊だ。

 

本書を読んで、人類の歴史は素材の歴史ではないかと思った。人類の発展は、新たな素材の発見抜きではありえないのだ。当たり前といえば当たり前のことなのだが、普段の生活の中でそのような実感はなかなか湧いてこない。

 

また、本書には書かれていないが、炭素も世界史において非常に重要な役割を果たした物質だ。例えば砂糖。三角貿易によって、アフリカから多くの奴隷が中米につくられたプランテーションに送られ、強制労働をさせられた。砂糖を大量生産し、ヨーロッパに輸出するためである。当時プランテーションだった場所は、今の発展途上国になっている。砂糖は、今日の世界を形作った一因であると言っても過言ではないのだ。

このような炭素にまつわる重要なエピソードは、本書の著者が別著『炭素文明論』で述べている。 気になる方は、そちらも読んでみるといいだろう。

 

炭素文明論:「元素の王者」が歴史を動かす (新潮選書)

炭素文明論:「元素の王者」が歴史を動かす (新潮選書)